インフラ・クラウドエンジニアの40代転職|オンプレ経験は活きる?年収と資格の位置づけ
結論(先に3行で)
- オンプレミスの設計・構築・運用の経験は、クラウドの求人でも「ネットワーク・OS・障害対応の基礎」として評価の材料になります。足りない部分(クラウドの実務・自動化)を、何で補ったかを書けるかがポイントです。
- job tag の値は、システムエンジニア(基盤システム)889万円・有効求人倍率2.24、運用・管理(IT)609.8万円・2.2です。設計・構築寄りか運用寄りかで統計区分が分かれます。
- 資格はIPAのネットワークスペシャリスト・応用情報と、各クラウド事業者の認定(民間資格)が中心です。資格は実務の説明を補うもので、資格だけで評価が決まるものではありません。
この記事でやること:職務経歴書の「環境・規模・担当工程」を数字で書く → クラウドの実務か学習かを分けて書く → インフラの求人を扱う窓口を2社選ぶ。
40代のインフラエンジニアの転職で、何が評価される?
インフラエンジニアの求人は、大きく「設計・構築」と「運用・保守」に分かれます。40代で応募する場合、求人の多くは設計・構築の経験か、運用チームのリーダー経験を前提にしています。評価の材料になりやすいのは次の4つです。
- 担当した環境の規模(サーバー台数、拠点数、利用者数、ネットワークの構成)
- 担当工程(要件定義・設計・構築・テスト・運用のどこまでか)
- 障害対応の役割(一次対応か、原因調査と再発防止までか)
- 自動化・効率化(スクリプト、構成管理、監視の仕組みづくり)
厚生労働省の令和7年転職者実態調査では、転職者の賃金を決めるときに考慮した要素として、情報通信業の事業所の81.3%が「これまでの経験・能力・知識」を挙げています(全産業は59.2%)。同じ調査で「年齢」は50.8%、「前職の賃金」は50.7%でした。年齢と前職の賃金も見られますが、それ以上に経験の中身が見られるということです。
オンプレの経験はクラウドの求人で活きる?
活きる部分と、補う必要がある部分があります。
ネットワーク(ルーティング・DNS・負荷分散)、OS(Linux・Windows Server)、ストレージ、バックアップ、監視、障害対応の考え方は、クラウドでも土台として使います。クラウドの求人票に「インフラの設計・構築経験」と書かれている場合、オンプレの経験も含めて読まれることが多いです。
一方で、クラウドの求人では、サービスの組み合わせ方、権限管理、費用の管理、コードで環境を作る方法(IaC)など、オンプレとは違う知識が求められます。ここは、実務で触れた範囲と、個人で学習した範囲を分けて書くのが誠実で、面接でも説明しやすくなります。
インフラエンジニアの年収の目安は?
| 職業(job tag) | 賃金(年収) | 平均年齢 | 月の労働時間 | 有効求人倍率 | 統計区分の注意 |
|---|---|---|---|---|---|
| システムエンジニア(基盤システム) | 889.0万円 | 38.3歳 | 173時間 | 2.24 | PM(IT)・ITコンサルタントと同じ値 |
| 運用・管理(IT) | 609.8万円 | 42.2歳 | 160時間 | 2.20 | ヘルプデスク・データエンジニア・セキュリティと同じ値 |
| ヘルプデスク(IT) | 609.8万円 | 42.2歳 | 160時間 | 1.36 | 運用・管理(IT)などと同じ値 |
出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)。年収・年齢・労働時間は「令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成」、有効求人倍率は令和7年度のハローワーク求人統計データ。job tag は「統計データは、必ずしもその職業のみの統計データを表しているものではありません」と注記しています(2026-11-02 確認)。平均値で、個人に提示される年収ではありません。
job tag では、システムエンジニア(基盤システム)は889万円・平均38.3歳・有効求人倍率2.24、運用・管理(IT)は609.8万円・平均42.2歳・有効求人倍率2.2です。基盤システムSEはPM(IT)・ITコンサルタントと同じ統計区分の値で、インフラだけの値ではない点に注意してください。
年齢別の月給の目安は、令和7年賃金構造基本統計調査の情報通信業で次のとおりです。
| 年齢階級 | 情報通信業 | 全産業 |
|---|---|---|
| 40〜44歳 | 456.8千円 | 364.3千円 |
| 45〜49歳 | 491.7千円 | 377.9千円 |
| 50〜54歳 | 491.3千円 | 388.8千円 |
| 55〜59歳 | 516.3千円 | 396.2千円 |
| 60〜64歳 | 451.5千円 | 329.3千円 |
| 年齢計 | 406.0千円 | 340.6千円 |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」第5-1表(産業、年齢階級別賃金)・第2表(性、年齢階級別賃金)。男女計の所定内給与額(月額。残業代・賞与を含まない)。情報通信業には通信・放送・出版なども含まれ、ITエンジニアだけの値ではありません(2026-11-02 確認)。
40〜44歳は456.8千円、45〜49歳は491.7千円です。全産業(364.3千円・377.9千円)より高い水準ですが、情報通信業には通信・放送・出版も含まれます。
資格は何を取ればいい?IPA試験とクラウド認定の位置づけは?
インフラの求人で名前が挙がりやすい資格は次のとおりです。job tag の「システムエンジニア(基盤システム)」の関連資格には、ネットワークスペシャリスト・システムアーキテクト・応用情報技術者・基本情報技術者・データベーススペシャリストが並び、「運用・管理(IT)」にはITサービスマネージャ・CCNA・ITILファンデーション・LPICなどが並びます。
| 資格 | 運営 | 位置づけ |
|---|---|---|
| ネットワークスペシャリスト | IPA(国家試験) | 令和8年度は前期区分。令和7年度春期の合格率17.8%(合格者平均34.1歳) |
| ITサービスマネージャ | IPA(国家試験) | 運用の管理。令和7年度春期の合格率14.7%(合格者平均40.0歳) |
| 応用情報技術者 | IPA(国家試験) | 令和8年度は前期・後期の2回。令和7年度秋期の合格率24.5% |
| クラウド各社の認定 | 各クラウド事業者(民間) | 実務の説明を補う。レベル・受験料・有効期限は各社の公式で確認 |
| CCNA・LPIC など | 民間団体・企業 | ネットワーク・Linux の基礎の証明 |
IPAの試験は令和8年度からCBT方式になり、前期(旧春期)と後期(旧秋期)に分かれました。日程はIPA試験の日程と合格率で整理しています。
資格は、実務の説明を補うものとして使います。特にクラウド認定だけで実務がない場合は、「個人環境で何を作り、どこで困り、どう解決したか」を話せるようにしておくと、学習の深さが伝わります。
40代のインフラ転職で気をつけることは?
- 夜間・休日の対応(オンコール)の有無と手当を確認する。運用の求人では特に重要です
- 「インフラエンジニア」の求人でも、実態が監視オペレーター中心か、設計・構築中心かを確認する
- SES(客先常駐)の求人か、自社のサービスのインフラか、事業会社の社内インフラかを確認する(SES・受託・自社開発の違い)
- 運用の自動化や信頼性の改善に関心があれば、SREの求人も見る
インフラの求人票はどこを読む?
インフラの求人票では、「設計・構築」と「運用・保守」の比重、扱う環境(オンプレミスか、どのクラウドか、両方か)、勤務の形(日勤のみか、シフトや夜間対応があるか)の3点を最初に確認します。「インフラエンジニア(運用)」と書かれていても、手順に沿った監視が中心の求人と、運用の改善や自動化まで任される求人では、求められる経験も年収の水準も違います。必須条件に「設計経験」とあれば、職務経歴書の設計の経験を前に出し、「運用経験」とあれば、障害対応の役割と改善の実績を前に出しましょう。
40代のインフラエンジニアによくある迷いは?
よくあるのは「クラウドの経験が少ないから応募できない」という迷いです。求人票の必須条件と歓迎条件を分けて読むと、クラウドの経験が歓迎条件にとどまる求人も少なくありません。必須条件を満たしているなら、クラウドは学習中であることを正直に書いて応募するのが一つの方法です。逆に、必須条件にクラウドの実務年数がある求人は、学習だけでは届かないことが多いため、今の職場でクラウドに触れる機会をつくるか、移行案件のある会社を選ぶなど、順番を考えて動くと遠回りになりにくくなります。
インフラの求人を扱う窓口は?
| サービス | 種類 | 対象年齢・対象者(公式) | 地域・拠点 | 許可番号 |
|---|---|---|---|---|
| TechClipsエージェント | 職業紹介(ITエンジニア・ITコンサルタント) | 年齢の制限は公式に記載なし。20代・30代・40代向けの転職ガイドを掲載 | 対応地域の明記なし。求人検索のエリアは東京都内(六本木・渋谷・新宿など)と「その他」 | 13-ユ-308393 |
| テックゴー | 職業紹介(ITエンジニア) | 年齢・経験年数の記載なし(求人の絞り込みに「職種未経験歓迎」あり) | 全国の求人。勤務地検索に東京都・神奈川県・愛知県・大阪府・福岡県など | 13-ユ-314719 |
| レバテックキャリア | 職業紹介(IT・Webエンジニア) | 年齢の記載なし(IT・Webエンジニアの転職希望者) | 本社 東京都渋谷区、支店 札幌・名古屋・大阪・広島・福岡(会社概要) | 13-ユ-308734。同社は労働者派遣事業(派13-308125)の許可も会社概要に記載 |
| パーソルクロステクノロジー(派遣) | 労働者派遣・紹介予定派遣(IT・機電エンジニア) | 年齢の記載なし(登録は職務経歴の提出で完了と記載) | 北海道・東北、関東、東海、北陸、関西、中四国、九州の求人(派遣サービスの勤務地検索) | 派13-316579(労働者派遣)/13-ユ-315141(有料職業紹介) |
| type IT派遣 | 労働者派遣(IT業界) | 年齢の記載なし | 対応地域の明記なし(掲載求人の勤務地は主に東京都内、一部千葉県) | 派13-315344(労働者派遣)。株式会社キャリアデザインセンターの会社概要に「IT業界に特化した人材派遣サービス『typeIT派遣』」の労働者派遣事業許可番号として記載。同社の人材紹介は13-ユ-040429。type IT派遣のサイト上には運営会社・許可番号の記載が見当たらなかった |
各社公式・厚生労働省の公開情報で 2026-11-02 に確認。「—」は確認できなかった項目です。各社が自社で集計した数字(満足度・内定率・年収アップ率など)は載せていません。
インフラを公式の職種に挙げているのは、TechClipsエージェント・テックゴー・レバテックキャリアと、派遣のパーソルクロステクノロジー・type IT派遣でした。ユニゾンキャリアは職種の一覧を載せていませんが、公式トップの事例にインフラエンジニアが登場します。40代・50代を明記するエイジレスエージェントは、職種一覧にインフラの名前はありませんが、SEを扱っているため登録時に確認できます。
よくある質問
- 40代でオンプレしか経験がないとクラウドの転職は難しい?
- オンプレのネットワーク・OS・障害対応の経験は、クラウドでも土台として使えます。クラウドの実務がない部分は、学習で作った構成や資格で補い、実務と学習を分けて説明するのが基本です。
- インフラエンジニアの年収は?
- job tag では、基盤システムSE 889万円(平均38.3歳)、運用・管理(IT)609.8万円(平均42.2歳)です。統計区分が広いため、目安として見てください。
- クラウドの資格は転職で有利?
- 実務の説明を補う材料になります。資格だけで評価が決まるわけではないため、構築・運用した構成とセットで書くのが前提です。
- ネットワークスペシャリストの試験はいつ?
- 令和8年度は前期区分で、科目Aは2026年10月17日〜27日、科目Bは11月11日〜23日の期間に実施されます(申込は終了)。次の年度の日程はIPAの公表を確認してください。
- インフラエンジニアは40代から未経験でもなれる?
- IT未経験からの場合、運用・監視やヘルプデスクから入り、設計・構築へ広げる順番が現実的です。運用・管理(IT)の有効求人倍率は2.2でした(job tag、令和7年度)。
出典・確認したページ
- job tag「システムエンジニア(基盤システム)」:賃金(年収)889万円・年齢38.3歳・労働時間173時間(令和7年賃金構造基本統計調査を加工)、有効求人倍率2.24(令和7年度)(2026-11-02確認)
- job tag「運用・管理(IT)」:賃金(年収)609.8万円・42.2歳・160時間、有効求人倍率2.2、関連資格 応用情報・ITサービスマネージャ・CCNA・LPIC など(2026-11-02確認)
- job tag「ヘルプデスク(IT)」:賃金(年収)609.8万円・42.2歳(運用・管理と同じ統計区分)、有効求人倍率1.36(2026-11-02確認)
- job tag「統計データの利用に当たっての留意点」:統計データは必ずしもその職業のみの統計データを表しているものではない(2026-11-02確認)
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(5)産業別:第5-1表 産業、年齢階級別賃金。情報通信業 年齢計406.0千円、40〜44歳456.8千円、45〜49歳491.7千円、50〜54歳491.3千円、55〜59歳516.3千円(2026-11-02確認)
- 厚生労働省「令和7年転職者実態調査の概況」事業所調査 2 転職者の採用状況:表5 賃金決定の際に考慮した要素(計:経験・能力・知識59.2%、年齢35.3%、前職の賃金27.0%。情報通信業:経験・能力・知識81.3%、年齢50.8%、前職の賃金50.7%)(2026-11-02確認)
- IPA「令和8年度 応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験の実施予定」:令和8年度からCBT方式。前期(旧春期)と後期(旧秋期)の試験区分(2026-11-02確認)
- IPA「試験日程」(2026年10月26日更新):令和8年度前期・後期の申込受付期間と試験実施期間(応用情報・高度試験・支援士)、受験手数料7,500円(2026-11-02確認)
- IPA「令和7年度春期試験の合格者発表」(2025年7月3日):応用情報22.1%、ST15.0%、SA15.5%、NW17.8%、SM14.7%、支援士19.0%と合格者平均年齢(2026-11-02確認)
- IPA「令和7年度秋期試験の合格者発表」(2025年12月25日):応用情報24.5%、PM14.3%、DB18.4%、ES15.3%、AU16.1%、支援士22.3%と合格者平均年齢(2026-11-02確認)
- TechClipsエージェント 公式トップ:ITエンジニア・ITコンサルタント向け、年収500万円以上の求人のみ、求職者無料(2026-11-02確認)
- ユニゾンキャリア 公式トップ:IT/Web専門。エンジニア経験者・未経験者どちらも支援。年齢・対応地域・職種一覧の記載なし(2026-11-02確認)
- テックゴー 公式トップ:ITエンジニア全般(インフラ・業務系SE・社内SE・PM・AIなど)、全国の求人、無料キャリア相談(2026-11-02確認)
- レバテックキャリア 公式トップ:IT・Webエンジニアの転職(フロントエンド・バックエンド・社内SE・インフラなど)、無料(2026-11-02確認)
この記事は 2026-11-02 時点で公的機関・各社公式ページを確認して書いています。制度や各社の条件は変わることがあるため、申込み前に公式ページで最新情報を確認してください。体験談・口コミは掲載していません。転職の結果(内定・年収)を約束するものではありません。