50代のエンジニア転職|求人の年齢制限・賃金の変化・定年と継続雇用で確認すること
結論(先に3行で)
- 求人の年齢制限は原則禁止です(労働施策総合推進法第9条)。50代の応募を最初から断る求人は、例外に当たる理由が書かれているはずです。
- 令和6年雇用動向調査(全職種)では、転職で賃金が増加した人は50〜54歳39.0%・減少28.2%、55〜59歳は増加27.4%・減少36.6%でした。55歳を境に減少が上回ります。
- 50代は、応募先の定年・継続雇用の制度と、入社後に任される役割(管理職かプレイヤーか)を、年収と同じくらい丁寧に確認するのがポイントです。
この記事でやること:自分の年齢の賃金変化の割合を確認 → 応募先の定年・継続雇用・役職の仕組みを確認する項目を準備 → 40代・50代を対象と明記した窓口と、職種に強い窓口を組み合わせる。
50代でエンジニアの転職はできる?
できます。まず制度の面では、募集・採用で年齢制限を設けることは、労働施策総合推進法第9条で原則として禁止されています。厚生労働省のQ&Aでは、例外として次のような場合が挙げられています。
- 定年の年齢を上限として、期間の定めのない労働契約の対象として募集する場合
- 法令で年齢が決められている場合(危険な業務など)
- 長期勤続によるキャリア形成を図るために、若年者等を期間の定めのない雇用で募集する場合(おおむね35歳未満を想定。経験を問わず、新卒と同じ扱いの募集)
- 特定の職種で、特定の年齢層の労働者が少ない場合の技能の継承(30〜49歳の範囲で設定)
- 芸術・芸能の分野、60歳以上の高年齢者を対象とする場合など
経験を求める中途採用の求人で「50歳まで」のように年齢の上限を書くことは、原則としてできません。年齢を書いた求人があれば、どの例外に当たるのかも確認してください。
ただし、制度上の扱いと、実際に内定が出るかは別の話です。50代の転職では、経験と役割が求人に合っているかが、40代以上に細かく見られます。
50代で転職した人の賃金はどう変わった?
| 年齢階級 | 増加 | うち1割以上増 | 変わらない | 減少 | うち1割以上減 |
|---|---|---|---|---|---|
| 計(全年齢) | 40.5% | 29.4% | 28.4% | 29.4% | 21.7% |
| 40〜44歳 | 45.9% | 33.2% | 23.7% | 29.0% | 21.2% |
| 45〜49歳 | 46.4% | 29.1% | 26.9% | 23.8% | 16.5% |
| 50〜54歳 | 39.0% | 26.3% | 31.7% | 28.2% | 21.0% |
| 55〜59歳 | 27.4% | 17.3% | 33.6% | 36.6% | 30.7% |
| 60〜64歳 | 13.6% | 7.9% | 24.2% | 60.9% | 53.9% |
出典:厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概要」表6 転職入職者の賃金変動状況別割合。前職が雇用者で調査時に在籍している転職入職者が対象、全産業・全職種。賃金変動状況「不詳」を含むため合計は100%になりません(2026-11-02 確認)。
厚生労働省の令和6年雇用動向調査(全職種)では、50〜54歳で転職した人の39.0%が賃金増加、28.2%が減少、31.7%が変わらないでした。55〜59歳は増加27.4%・減少36.6%で、減少が増加を上回ります。60〜64歳では減少が60.9%になります。
55歳以降の減少には、役職定年や、定年後の継続雇用からの転職も含まれていると考えられます。数字は全職種の値で、あなたの結果を予測するものではありませんが、50代後半では「年収が下がる可能性も含めて、何を優先するか」を決めておくと判断しやすくなります。
エンジニアの年齢別の月給は?
| 年齢階級 | 情報通信業 | 全産業 |
|---|---|---|
| 40〜44歳 | 456.8千円 | 364.3千円 |
| 45〜49歳 | 491.7千円 | 377.9千円 |
| 50〜54歳 | 491.3千円 | 388.8千円 |
| 55〜59歳 | 516.3千円 | 396.2千円 |
| 60〜64歳 | 451.5千円 | 329.3千円 |
| 年齢計 | 406.0千円 | 340.6千円 |
出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」第5-1表(産業、年齢階級別賃金)・第2表(性、年齢階級別賃金)。男女計の所定内給与額(月額。残業代・賞与を含まない)。情報通信業には通信・放送・出版なども含まれ、ITエンジニアだけの値ではありません(2026-11-02 確認)。
令和7年賃金構造基本統計調査の情報通信業の月給(所定内給与額)は、50〜54歳491.3千円、55〜59歳516.3千円で、60〜64歳は451.5千円です。全産業でも55〜59歳(396.2千円)がピークで、60歳から下がります。今の会社で役職定年や定年後の賃金がどうなるかを確認したうえで、転職した場合と比べるのが現実的です。
50代が応募先で確認することは?
定年と継続雇用の制度は?
高年齢者雇用安定法では、65歳までの雇用確保が事業主の義務、70歳までの就業機会の確保が努力義務になっています(令和3年4月1日施行の改正)。応募先の定年の年齢、継続雇用の仕組み(再雇用・勤務延長)、継続雇用後の役割と賃金の考え方を、求人票と面接で確認しましょう。
雇用期間の定めはある?
50代の求人には、正社員(期間の定めなし)のほか、契約社員(1年更新など)、嘱託、業務委託もあります。期間の定めの有無と、更新の条件を確認してください。業務委託で働く選択肢はフリーランス転向との比較で扱っています。
入社後の役割は?
管理職のポストとして採用されるのか、プレイヤーとして採用されるのかで、評価のされ方も働き方も変わります。「入社後1年で任される仕事」「部下の人数」「評価の基準」を面接で聞きましょう。
50代のエンジニアが評価されやすい経験は?
令和7年転職者実態調査では、専門的・技術的な仕事で転職者を採用した理由として「経験を活かし即戦力になるから」「専門知識・能力があるから」が多く挙がっています。50代で評価の材料になりやすいのは、次のような経験です。
- 大規模・長期のシステムの全体を知っている(基幹システムの更改、移行)
- 問題が起きたプロジェクトや障害を立て直した
- ベンダー・業務部門・経営層の間で合意をつくった
- 若手の育成や、チームの仕組みづくり
一方で、最近の技術(クラウド・自動化・データ活用など)の経験が少ない場合は、どこまで学んでいるかを具体的に示せると、説明の幅が広がります。学び直しの公的支援はリスキリングの公的支援にまとめています。
50代の転職によくある迷いは?
よくあるのは「今の会社に残るか、転職するか」の迷いです。比べるときは、今の会社で役職定年や定年後の再雇用になった場合の役割と賃金と、転職した場合の役割と賃金を、同じ期間(たとえば65歳まで)で並べると判断しやすくなります。今の会社の制度は、就業規則や人事の案内で確認できます。もう一つは「技術の変化についていけるか」という迷いです。最近の技術をすべて追う必要はなく、応募先で使う技術のうち、今の経験に近いものから学ぶ順番を決めると、説明できる範囲が広がります。
1週間でやることは?
今の会社の定年・継続雇用・役職定年の制度を確認します。次に、これまでの経験から、立て直しや合意づくりの場面を3つ選び、面接で話す流れをメモします。最後に、年齢に特化した窓口と職種に強い窓口に登録し、紹介できる求人の例を聞いてください。
50代の窓口はどう選ぶ?
40代・50代のIT人材を対象と公式に明記しているのはエイジレスエージェントです(会社概要の事業内容には「50~70代中心のキャリア支援」とも書かれています)。年齢を明記していないエージェントも、50代の利用を断るとは書いていません。年齢に特化した窓口1社と、職種に強い窓口1〜2社を組み合わせると、求人の幅を比べやすくなります。
| サービス | 種類 | 対象年齢・対象者(公式) | 地域・拠点 | 許可番号 |
|---|---|---|---|---|
| エイジレスエージェント | 職業紹介(40代・50代のIT人材向け) | 40代・50代のIT人材(ミドル層)と公式トップに記載 | 北海道・東北、関東、東海、北陸・甲信越、関西、中国・四国、九州・沖縄(公式トップの地域区分) | 13-ユ-314166。同社は労働者派遣事業(派13-316494)の許可も会社概要に記載 |
| TechClipsエージェント | 職業紹介(ITエンジニア・ITコンサルタント) | 年齢の制限は公式に記載なし。20代・30代・40代向けの転職ガイドを掲載 | 対応地域の明記なし。求人検索のエリアは東京都内(六本木・渋谷・新宿など)と「その他」 | 13-ユ-308393 |
| ユニゾンキャリア | 職業紹介(IT/Web業界) | 公式トップに年齢の記載なし。エンジニア経験者・未経験者どちらも支援と記載(20代向けとする第三者の紹介もあるため、40代の未経験で紹介できる求人は登録前に確認) | —(公式で要確認) | 13-ユ-313348 |
| テックゴー | 職業紹介(ITエンジニア) | 年齢・経験年数の記載なし(求人の絞り込みに「職種未経験歓迎」あり) | 全国の求人。勤務地検索に東京都・神奈川県・愛知県・大阪府・福岡県など | 13-ユ-314719 |
| レバテックキャリア | 職業紹介(IT・Webエンジニア) | 年齢の記載なし(IT・Webエンジニアの転職希望者) | 本社 東京都渋谷区、支店 札幌・名古屋・大阪・広島・福岡(会社概要) | 13-ユ-308734。同社は労働者派遣事業(派13-308125)の許可も会社概要に記載 |
| 社内SE転職ナビ | 職業紹介(社内SE・情シス) | 年齢の記載なし | —(公式で要確認) | 13-ユ-303606。人材サービス総合サイト掲載の同社の資料(13-ユ-303606、アイムファクトリー株式会社、求職者からの手数料なし)で確認。社内SE転職ナビの運営が同社であることは、同社の採用ページ・Green掲載の会社情報で確認(社内SE転職ナビのサイト上には運営会社の記載が見当たらなかった) |
| G-JOBエージェント | 職業紹介(ゲーム業界) | 年齢の記載なし | 関東・関西・九州ほか。都道府県別の求人検索は北海道〜沖縄(運営会社の拠点は東京本社・福岡) | 13-ユ-305862。運営会社の会社概要で確認。同社は労働者派遣事業(派13-305515)の許可も記載。G-JOBエージェントのサイト上には許可番号の記載が見当たらなかった |
| パーソルクロステクノロジー(派遣) | 労働者派遣・紹介予定派遣(IT・機電エンジニア) | 年齢の記載なし(登録は職務経歴の提出で完了と記載) | 北海道・東北、関東、東海、北陸、関西、中四国、九州の求人(派遣サービスの勤務地検索) | 派13-316579(労働者派遣)/13-ユ-315141(有料職業紹介) |
| type IT派遣 | 労働者派遣(IT業界) | 年齢の記載なし | 対応地域の明記なし(掲載求人の勤務地は主に東京都内、一部千葉県) | 派13-315344(労働者派遣)。株式会社キャリアデザインセンターの会社概要に「IT業界に特化した人材派遣サービス『typeIT派遣』」の労働者派遣事業許可番号として記載。同社の人材紹介は13-ユ-040429。type IT派遣のサイト上には運営会社・許可番号の記載が見当たらなかった |
各社公式・厚生労働省の公開情報で 2026-11-02 に確認。「—」は確認できなかった項目です。各社が自社で集計した数字(満足度・内定率・年収アップ率など)は載せていません。
製造業の技術職や工場の仕事に関心がある人は、姉妹サイトの技術職キャリアDBも参照してください。
よくある質問
- 50代でエンジニアの転職はできる?
- できます。求人の年齢制限は労働施策総合推進法第9条で原則禁止です。令和6年雇用動向調査では、50〜54歳で転職した人の39.0%が賃金増加でした(全職種)。
- 50代の転職で年収は下がる?
- 50〜54歳は増加39.0%・減少28.2%、55〜59歳は増加27.4%・減少36.6%でした(令和6年雇用動向調査、全職種)。55歳を境に減少が上回ります。
- 50代向けのITの転職エージェントは?
- 公式に40代・50代のIT人材を対象と明記しているのはエイジレスエージェントです。ほかのIT特化のエージェントは年齢を書いていないことが多いため、登録時に確認してください。
- 定年が近いと転職先で不利?
- 応募先の定年・継続雇用の制度で、働ける期間が変わります。65歳までの雇用確保は義務、70歳までの就業確保は努力義務です。制度を求人票と面接で確認してください。
- 50代で未経験の職種に移れる?
- 未経験の職種への転職は、経験を活かす転職より求人が限られます。今の経験の延長にある職種(PMO・社内SE・品質管理など)から考えると、説明しやすくなります。
出典・確認したページ
- e-Gov法令検索「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」第9条:募集・採用について、年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない(厚生労働省令で定めるとき)(2026-11-02確認)
- 厚生労働省「募集・採用における年齢制限禁止について」Q&A:年齢制限は原則禁止。例外(定年を上限とする場合、長期勤続によるキャリア形成を図るため若年者等を募集する場合〔おおむね35歳未満〕、60歳以上を対象とする場合など)(2026-11-02確認)
- 岡山労働局「高年齢者雇用安定法の改正(70歳までの就業機会の確保)」:令和3年4月1日施行。65歳までの雇用確保(義務)、70歳までの就業機会の確保(努力義務)(2026-11-02確認)
- 厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概要」3 転職入職者の状況:表6 転職入職者の賃金変動状況別割合(年齢階級別。増加・変わらない・減少)(2026-11-02確認)
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(5)産業別:第5-1表 産業、年齢階級別賃金。情報通信業 年齢計406.0千円、40〜44歳456.8千円、45〜49歳491.7千円、50〜54歳491.3千円、55〜59歳516.3千円(2026-11-02確認)
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(2)性別:第2表 性、年齢階級別賃金(所定内給与額。男女計 40〜44歳364.3千円・55〜59歳396.2千円など)(2026-11-02確認)
- 厚生労働省「令和7年転職者実態調査の概況」報道発表資料(令和8年9月25日):自己都合の離職理由(賃金が低かった25.5%など)、現在の勤め先を選んだ理由(仕事の内容・職種に満足40.2%など)(2026-11-02確認)
- エイジレスエージェント 公式トップ:対象:40代・50代のIT人材、職種(SE・PM・PMO・ITコンサルなど)、地域(北海道・東北〜九州・沖縄)、無料(2026-11-02確認)
- 株式会社エイジレス 会社概要:設立2021年10月1日、所在地 東京都品川区、有料職業紹介 13-ユ-314166、労働者派遣 派13-316494(2026-11-02確認)
この記事は 2026-11-02 時点で公的機関・各社公式ページを確認して書いています。制度や各社の条件は変わることがあるため、申込み前に公式ページで最新情報を確認してください。体験談・口コミは掲載していません。転職の結果(内定・年収)を約束するものではありません。