セキュリティエンジニアへの40代転職|インフラ経験からの移り方と情報処理安全確保支援士
結論(先に3行で)
- セキュリティの仕事は、守る仕組みをつくる(設計・構築)、監視して対応する(運用・インシデント対応)、組織のルールをつくる(管理・監査)に分かれます。インフラ・社内SEの経験は、どれにもつながります。
- job tag の「セキュリティエキスパート(デジタルフォレンジック)」は609.8万円・平均42.2歳・有効求人倍率1.96(運用・管理(IT)と同じ統計区分)です。
- 情報処理安全確保支援士は令和7年度秋期の合格率22.3%・合格者平均34.4歳。令和8年度は前期・後期の2回実施です。
この記事でやること:セキュリティの3つの領域のうち、今の経験が近いものを決める → 情報処理安全確保支援士などで知識を補う → セキュリティを扱う窓口で求人を見る。
セキュリティエンジニアの仕事にはどんな種類がある?
「セキュリティエンジニア」という求人名でも、中身は大きく3つに分かれます。
| 領域 | 主な仕事 | 近い経験 |
|---|---|---|
| 設計・構築 | ネットワーク・サーバー・クラウドの安全な設計、認証・権限・暗号化の仕組み、セキュリティ製品の導入 | インフラの設計・構築 |
| 運用・インシデント対応 | ログの監視、脆弱性の管理、インシデント(攻撃・漏えいの疑い)への対応、調査 | 運用・監視・障害対応 |
| 管理・監査・ガバナンス | 社内のセキュリティ規程、リスク評価、監査対応、教育、取引先の管理 | 社内SE、監査対応、内部統制 |
job tag にある「セキュリティエキスパート(デジタルフォレンジック)」は、運用・インシデント対応の中でも、事故が起きたあとの調査に近い職業です。このサイトでは、年収の目安としてこの職業の値を使います。
インフラ・社内SEの経験はセキュリティで活きる?
活きます。ネットワークの構成、サーバーの設定、権限の管理、ログの見方は、セキュリティの仕事の土台です。社内SEでセキュリティ対策(PCの管理、メールの対策、社員教育、取引先からのセキュリティチェックへの回答など)を担当してきた人は、管理・ガバナンスの領域の経験として書けます。
足りない部分は、攻撃の手口や脆弱性の知識、インシデント対応の手順、セキュリティの枠組みの知識です。ここを資格や学習で補い、実務の経験とつなげて説明するのが40代の移り方の基本になります。
セキュリティエンジニアの年収の目安は?
| 職業(job tag) | 賃金(年収) | 平均年齢 | 月の労働時間 | 有効求人倍率 | 統計区分の注意 |
|---|---|---|---|---|---|
| セキュリティエキスパート(デジタルフォレンジック) | 609.8万円 | 42.2歳 | 160時間 | 1.96 | 運用・管理(IT)などと同じ値 |
| 運用・管理(IT) | 609.8万円 | 42.2歳 | 160時間 | 2.20 | ヘルプデスク・データエンジニア・セキュリティと同じ値 |
| システムエンジニア(基盤システム) | 889.0万円 | 38.3歳 | 173時間 | 2.24 | PM(IT)・ITコンサルタントと同じ値 |
出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)。年収・年齢・労働時間は「令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成」、有効求人倍率は令和7年度のハローワーク求人統計データ。job tag は「統計データは、必ずしもその職業のみの統計データを表しているものではありません」と注記しています(2026-11-02 確認)。平均値で、個人に提示される年収ではありません。
job tag の「セキュリティエキスパート(デジタルフォレンジック)」は609.8万円・平均42.2歳・有効求人倍率1.96です。運用・管理(IT)、データエンジニアなどと同じ統計区分の値で、セキュリティだけの平均ではありません。設計・構築の役割は、基盤システムSE(889万円)の区分に近い場合もあります。
情報処理安全確保支援士は転職で役に立つ?
情報処理安全確保支援士は、IPAが実施するサイバーセキュリティの国家試験で、job tag のセキュリティエキスパートの関連資格にも挙がっています。試験に合格したあと、IPAに登録をすると「情報処理安全確保支援士」の名称を使えます。登録していない人がこの名称を使うと、情報処理の促進に関する法律で罰則の対象になります。登録は3年ごとの更新制で、登録中は毎年の講習の受講が義務づけられています(登録の手続き・費用はIPAの案内で確認してください)。職務経歴書では、試験の合格と登録の有無を分けて書きましょう。
| 回 | 応募者 | 受験者 | 合格者 | 合格率 | 合格者平均年齢 |
|---|---|---|---|---|---|
| 令和7年度春期 | 22,645人 | 16,526人 | 3,134人 | 19.0% | 35.0歳 |
| 令和7年度秋期 | 26,385人 | 18,816人 | 4,199人 | 22.3% | 34.4歳 |
令和8年度はCBT方式で、前期(科目A 2026年10月17日〜27日・科目B 11月11日〜23日、申込は終了)と後期(申込 2027年1月27日〜2月27日、科目A 2月20日〜3月2日、科目B 3月16日〜28日)の2回です。
セキュリティの求人では、この資格が「歓迎条件」に書かれていることがあります。資格だけで実務の代わりにはなりませんが、インフラや社内SEの経験に、セキュリティの体系的な知識を足したことを示す材料になります。試験全体はIPA試験の日程と合格率を参照してください。
40代でセキュリティに移るときに気をつけることは?
- 運用・インシデント対応の仕事は、夜間・休日の対応(シフト・オンコール)がある場合がある。勤務形態を確認する
- 「セキュリティ」の求人でも、実態が製品の導入支援(プリセールス)や、ヘルプデスクに近いものもある。仕事内容を読み分ける
- 社内SEとしてセキュリティを担当するか、セキュリティ専門の会社・部署に移るかで、求められる深さが違う
社内SEとセキュリティの両方を担当する求人も多いため、社内SEへの40代転職もあわせて読んでください。
セキュリティの求人票はどこを読む?
セキュリティの求人票では、仕事内容の欄にある言葉で領域を読み分けます。「設計」「構築」「導入」があれば設計・構築、「監視」「SOC」「インシデント対応」「脆弱性診断」があれば運用・対応、「規程」「リスク評価」「監査」「教育」があれば管理・ガバナンスの領域です。勤務の形(日勤のみか、シフト制か、オンコールがあるか)と、社内のセキュリティを担当するのか、顧客にサービスを提供するのかも確認しましょう。
40代がセキュリティに移るとき、何から学ぶ?
インフラの経験がある人は、ネットワークとサーバーの設定を「攻撃する側から見るとどう見えるか」という視点で学び直すと、今の知識とつながりやすくなります。社内SEの経験がある人は、社内規程・リスク評価・取引先の管理など、管理・ガバナンスの領域の知識を体系的に整理すると、経験の説明が厚くなります。いずれの場合も、情報処理安全確保支援士の試験範囲は、学ぶ範囲の地図として使えます。
IPAには、合格率の低い高度区分だけでなく、情報セキュリティマネジメント試験(CBTで随時実施)もあります。セキュリティの基礎を確認する入口として使えます。
40代のセキュリティ転職によくある迷いは?
よくあるのは「セキュリティは若い人の分野では」という迷いです。実際には、管理・ガバナンスの領域では、業務の流れや組織の決め方を知っていること、関係部署と調整できることが重視されます。運用・対応の領域でも、障害対応の経験は、インシデントの初動の判断に生きます。年齢そのものより、どの領域で、今の経験の何を使うかを決めることが大切です。
1週間でやることは?
今の仕事でセキュリティに関わった経験(設定・対策・教育・監査対応・取引先のチェックシートへの回答など)を書き出します。次に、3つの領域のどれを目指すか決め、情報処理安全確保支援士の試験範囲のうち、その領域に関わる部分を学び始めます。最後に、インフラやセキュリティの求人を扱う窓口で、求人の必須条件を集めてください。
社内のセキュリティ担当の求人は増えている?
求人の数の推移を示す公的統計は、セキュリティ担当だけでは確認できませんでした。求人票を読むと、社内SEの求人の仕事内容に「セキュリティ対策」が含まれていることは珍しくありません。社内SEとセキュリティの両方の求人を見ると、選択肢が広がります。
セキュリティの求人を扱う窓口は?
| サービス | 種類 | 対象年齢・対象者(公式) | 地域・拠点 | 許可番号 |
|---|---|---|---|---|
| パーソルクロステクノロジー(派遣) | 労働者派遣・紹介予定派遣(IT・機電エンジニア) | 年齢の記載なし(登録は職務経歴の提出で完了と記載) | 北海道・東北、関東、東海、北陸、関西、中四国、九州の求人(派遣サービスの勤務地検索) | 派13-316579(労働者派遣)/13-ユ-315141(有料職業紹介) |
各社公式・厚生労働省の公開情報で 2026-11-02 に確認。「—」は確認できなかった項目です。各社が自社で集計した数字(満足度・内定率・年収アップ率など)は載せていません。
セキュリティを公式の職種として挙げていたのは、派遣のパーソルクロステクノロジー(セキュリティエンジニア)でした。職業紹介のサービスでは、インフラや社内SEの求人の中にセキュリティの求人が含まれることが多いため、インフラを扱う窓口(レバテックキャリア・テックゴーなど)で「セキュリティの求人があるか」を聞くのが確実です。
| サービス | 種類 | 対象年齢・対象者(公式) | 地域・拠点 | 許可番号 |
|---|---|---|---|---|
| TechClipsエージェント | 職業紹介(ITエンジニア・ITコンサルタント) | 年齢の制限は公式に記載なし。20代・30代・40代向けの転職ガイドを掲載 | 対応地域の明記なし。求人検索のエリアは東京都内(六本木・渋谷・新宿など)と「その他」 | 13-ユ-308393 |
| テックゴー | 職業紹介(ITエンジニア) | 年齢・経験年数の記載なし(求人の絞り込みに「職種未経験歓迎」あり) | 全国の求人。勤務地検索に東京都・神奈川県・愛知県・大阪府・福岡県など | 13-ユ-314719 |
| レバテックキャリア | 職業紹介(IT・Webエンジニア) | 年齢の記載なし(IT・Webエンジニアの転職希望者) | 本社 東京都渋谷区、支店 札幌・名古屋・大阪・広島・福岡(会社概要) | 13-ユ-308734。同社は労働者派遣事業(派13-308125)の許可も会社概要に記載 |
| パーソルクロステクノロジー(派遣) | 労働者派遣・紹介予定派遣(IT・機電エンジニア) | 年齢の記載なし(登録は職務経歴の提出で完了と記載) | 北海道・東北、関東、東海、北陸、関西、中四国、九州の求人(派遣サービスの勤務地検索) | 派13-316579(労働者派遣)/13-ユ-315141(有料職業紹介) |
| type IT派遣 | 労働者派遣(IT業界) | 年齢の記載なし | 対応地域の明記なし(掲載求人の勤務地は主に東京都内、一部千葉県) | 派13-315344(労働者派遣)。株式会社キャリアデザインセンターの会社概要に「IT業界に特化した人材派遣サービス『typeIT派遣』」の労働者派遣事業許可番号として記載。同社の人材紹介は13-ユ-040429。type IT派遣のサイト上には運営会社・許可番号の記載が見当たらなかった |
各社公式・厚生労働省の公開情報で 2026-11-02 に確認。「—」は確認できなかった項目です。各社が自社で集計した数字(満足度・内定率・年収アップ率など)は載せていません。
よくある質問
- 40代からセキュリティエンジニアになれる?
- インフラ・社内SE・運用の経験があれば、その経験を土台に移る道があります。攻撃や脆弱性の知識は資格や学習で補います。
- 情報処理安全確保支援士の合格率は?
- 令和7年度春期19.0%、秋期22.3%でした(IPA)。合格者の平均年齢は35.0歳・34.4歳です。
- セキュリティエンジニアの年収は?
- job tag の「セキュリティエキスパート(デジタルフォレンジック)」は609.8万円・平均42.2歳です(運用・管理(IT)などと同じ統計区分)。
- セキュリティの仕事は夜勤がある?
- 監視・インシデント対応の領域では、シフト制やオンコールがある求人があります。設計・構築や管理・ガバナンスの領域は日勤が中心のことが多いです。求人票で確認してください。
- 情報セキュリティマネジメント試験とは?
- IPAの試験で、CBT方式で随時実施されています。セキュリティの管理の基礎を確認する入口として使えます。
出典・確認したページ
- job tag「セキュリティエキスパート(デジタルフォレンジック)」:賃金(年収)609.8万円・42.2歳、有効求人倍率1.96、関連資格 情報処理安全確保支援士(2026-11-02確認)
- job tag「運用・管理(IT)」:賃金(年収)609.8万円・42.2歳・160時間、有効求人倍率2.2、関連資格 応用情報・ITサービスマネージャ・CCNA・LPIC など(2026-11-02確認)
- job tag「システムエンジニア(基盤システム)」:賃金(年収)889万円・年齢38.3歳・労働時間173時間(令和7年賃金構造基本統計調査を加工)、有効求人倍率2.24(令和7年度)(2026-11-02確認)
- job tag「統計データの利用に当たっての留意点」:統計データは必ずしもその職業のみの統計データを表しているものではない(2026-11-02確認)
- IPA「令和7年度春期試験の合格者発表」(2025年7月3日):応用情報22.1%、ST15.0%、SA15.5%、NW17.8%、SM14.7%、支援士19.0%と合格者平均年齢(2026-11-02確認)
- IPA「令和7年度秋期試験の合格者発表」(2025年12月25日):応用情報24.5%、PM14.3%、DB18.4%、ES15.3%、AU16.1%、支援士22.3%と合格者平均年齢(2026-11-02確認)
- IPA「試験日程」(2026年10月26日更新):令和8年度前期・後期の申込受付期間と試験実施期間(応用情報・高度試験・支援士)、受験手数料7,500円(2026-11-02確認)
- IPA「令和8年度 応用情報技術者試験、高度試験及び情報処理安全確保支援士試験の実施予定」:令和8年度からCBT方式。前期(旧春期)と後期(旧秋期)の試験区分(2026-11-02確認)
- IPA「登録セキスペの権利と義務」:登録すると資格名称を使用できる、登録していない人が名称を使うと罰則(情報処理の促進に関する法律第78条)、講習の受講義務(第23条)、登録は3年ごとの更新(2026-11-03確認)
- パーソルクロステクノロジー 派遣サービス(IT・機電エンジニア):ITエンジニア・機電エンジニアの派遣、紹介予定派遣、北海道〜九州の勤務地、無料登録(2026-11-02確認)
- レバテックキャリア 公式トップ:IT・Webエンジニアの転職(フロントエンド・バックエンド・社内SE・インフラなど)、無料(2026-11-02確認)
- テックゴー 公式トップ:ITエンジニア全般(インフラ・業務系SE・社内SE・PM・AIなど)、全国の求人、無料キャリア相談(2026-11-02確認)
この記事は 2026-11-02 時点で公的機関・各社公式ページを確認して書いています。制度や各社の条件は変わることがあるため、申込み前に公式ページで最新情報を確認してください。体験談・口コミは掲載していません。転職の結果(内定・年収)を約束するものではありません。