退職と有休消化の法律|退職はいつ伝える?有休は何日残る?40代エンジニアの段取り
結論(先に3行で)
- 期間の定めのない雇用は、民法第627条により、退職の申入れから2週間で終了します。就業規則の申出期限(1か月前など)も確認し、引き継ぎの期間を考えて日程を決めるのが現実的です。
- 年次有給休暇は、継続勤務6年6か月以上で年20日付与され、発生から2年で時効になります。前年分が残っていれば、最大で40日程度になることがあります。
- 入社日から逆算して、退職日・最終出社日・有休消化の期間を決め、内定先と今の会社の両方に早めに伝えましょう。
この記事でやること:有休の残日数を確認 → 就業規則の退職の申出期限を確認 → 入社日から逆算して日程表をつくる → 上司に伝える。
退職はいつまでに伝えればいい?
期間の定めのない雇用(正社員など)は、民法第627条第1項により、労働者はいつでも解約の申入れができ、申入れの日から2週間を経過すると雇用が終了します。
一方、多くの会社の就業規則には「退職の1か月前までに申し出る」などの規定があります。法律上は2週間で退職できるとしても、引き継ぎや有休の消化を考えると、就業規則の期限に合わせて早めに伝えるのが、トラブルを避ける現実的な方法です。
契約社員など期間の定めのある雇用は、原則として契約期間の途中で辞める場合のルールが違います。自分の契約の形を確認してください。
有休は何日残っている?
年次有給休暇は、労働基準法第39条で定められています。雇い入れから6か月継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤した人に付与され、その後は勤続年数に応じて増えます。
| 継続勤務年数 | 付与日数(通常の労働者) |
|---|---|
| 6か月 | 10日 |
| 1年6か月 | 11日 |
| 2年6か月 | 12日 |
| 3年6か月 | 14日 |
| 4年6か月 | 16日 |
| 5年6か月 | 18日 |
| 6年6か月以上 | 20日 |
有休は、発生した日から2年で時効により消滅します。勤続年数の長い40代の場合、前年分と今年分を合わせて、最大で40日程度残っていることがあります。給与明細や勤怠のシステムで、正確な残日数を確認しましょう。
また、年10日以上の有休が付与される人には、会社が年5日を時季を指定して取得させる義務があります(労働基準法第39条第7項、2019年4月施行)。
退職前に有休をまとめて使える?
有休は、原則として労働者が請求した時季に与えられます。会社は「事業の正常な運営を妨げる場合」に限り、別の時季に変更できます(時季変更権)。ただし、退職日を過ぎた日に変更することはできないため、退職前にまとめて請求した有休は、実際には変更の余地が限られます。
とはいえ、引き継ぎが終わらないまま有休に入ると、職場との関係が悪くなることもあります。引き継ぎの期間と有休消化の期間を、上司と相談して決めるのが現実的です。
退職の段取りは?
- 有休の残日数と、就業規則の退職の申出期限を確認する
- 内定先と入社日を決める。入社日から逆算して、最終出社日・有休消化の期間・退職日を決めます
- 上司に退職を伝える。退職日と有休の消化の希望を伝え、引き継ぎの計画を相談します
- 引き継ぎ資料をつくる。担当システム・手順書・関係者の連絡先・進行中の課題を整理します
- 退職届を出す。会社の書式があれば、それに従います
- 退職後の手続きを確認する。健康保険・年金・住民税・雇用保険など(すぐに入社するかどうかで変わります)
内定承諾の前に確認することは?
内定が出たら、労働条件を書面(労働条件通知書)で受け取り、賃金・労働時間・就業場所・業務などを確認しましょう。労働基準法第15条により、明示された労働条件が事実と違う場合、労働者は即時に労働契約を解除できます。2024年4月からは、就業場所・業務の変更の範囲も明示事項に加わりました。
入社日について、今の会社の退職日が確定する前に約束しすぎないことも大切です。退職の交渉が長引くことも考え、少し余裕を持った日程を内定先と相談しましょう。
40代エンジニアの退職で気をつけることは?
- 担当システムの運用やオンコールの引き継ぎは、手順書と、引き継ぎ先が実際に一人で対応した記録まで残す
- 社内の機器・アカウント・資料の返却を確認する
- 退職後の守秘義務・競業避止の約束(誓約書)の内容を確認する。競業避止の範囲が広すぎると感じたら、入社前に内定先にも伝えておく
フリーランスとして独立する場合の退職前の手続きは、姉妹サイトのフリーコンサルノート「退職前の手続き」で扱っています。
退職を伝えるときに気をつけることは?
退職の意思は、まず直属の上司に、口頭で直接伝えるのが一般的です。転職先の社名や条件まで詳しく話す必要はありません。退職日の希望と、引き継ぎの計画を一緒に伝えると、話が進みやすくなります。強い引き止めにあった場合も、退職の意思と退職日の希望を落ち着いて繰り返しましょう。期間の定めのない雇用は、民法上、申入れから2週間で終了します。
引き継ぎで残すものは?
40代のエンジニアは、担当するシステムや関係者が多いことがあります。引き継ぎ資料には、担当システムの一覧と構成、定期作業と手順、障害時の対応手順と連絡先、進行中の課題と次の予定、関係者(社内・ベンダー・顧客)の一覧を入れましょう。引き継ぎ先と一緒に作業し、引き継ぎ先が一人で対応できたことを確認できると、退職後の問い合わせも減ります。
退職後の手続きは?
退職日の翌日から次の会社に入社する場合は、健康保険・年金は次の会社で手続きされます。間が空く場合は、国民健康保険と国民年金への切り替え(または健康保険の任意継続)が必要です。住民税の支払い方法、雇用保険の離職票の扱いも、空く期間によって変わります。退職前に、会社の人事に必要な書類(離職票、源泉徴収票、年金手帳や基礎年金番号の確認など)を確認しておきましょう。
1週間でやることは?
有休の残日数と就業規則の申出期限を確認します。次に、内定先と入社日の候補を相談し、退職日・最終出社日・有休の期間を決めた日程表をつくります。最後に、引き継ぎ資料の目次をつくってから、上司に伝えてください。
退職日と入社日の間を空けるべき?
退職日と入社日の間を空けるかどうかは、有休の残日数、引き継ぎの期間、入社先の希望で決まります。間を空けない場合は、健康保険・年金の切り替えが不要で、手続きが少なくて済みます。間を空ける場合は、その期間の健康保険・年金の手続きと保険料の負担を考えておきましょう。いずれの場合も、内定先と今の会社の両方に、早めに日程を伝えることが大切です。
よくある質問
- 退職は2週間前に言えばいい?
- 期間の定めのない雇用は、民法第627条により申入れから2週間で終了します。ただし就業規則の申出期限や引き継ぎを考え、早めに伝えるのが現実的です。
- 有休は最大何日たまる?
- 6年6か月以上の継続勤務で年20日付与され、2年で時効です。前年分と合わせて最大40日程度になることがあります。
- 退職前の有休消化を断られることはある?
- 会社の時季変更権は退職日を過ぎた日には使えないため、変更の余地は限られます。引き継ぎの計画と合わせて相談するのが現実的です。
- 退職を引き止められたら?
- 退職の意思と退職日の希望を落ち着いて繰り返します。期間の定めのない雇用は、民法上、申入れから2週間で終了します。
- 有休は買い取ってもらえる?
- 有休は休むための制度で、買い取りは法律で義務づけられていません。退職時に残った分の扱いは会社の規程によります。
出典・確認したページ
- e-Gov法令検索「民法」第627条:期間の定めのない雇用は、解約の申入れの日から2週間で終了(2026-11-02確認)
- e-Gov法令検索「労働基準法」:第15条(労働条件の明示、相違する場合の即時解除)、第39条(年次有給休暇)、第115条(時効)(2026-11-02確認)
- 厚生労働省「年次有給休暇制度について」(資料2-1、2021年4月1日):付与日数(6か月10日〜6年6か月以上20日)、年5日の時季指定義務(第39条第7項)、発生日から2年の消滅時効(2026-11-02確認)
- 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」:全ての労働者に就業場所・業務の変更の範囲の明示が追加(2026-11-02確認)
この記事は 2026-11-02 時点で公的機関・各社公式ページを確認して書いています。制度や各社の条件は変わることがあるため、申込み前に公式ページで最新情報を確認してください。体験談・口コミは掲載していません。転職の結果(内定・年収)を約束するものではありません。